「君たちはどう生きるか 」を読んだ内容と感想

本を買ったきっかけ

「人としてどう生きるか」なんて正直これまで生きてきて考えたこともなかった。だって生きてること自体当たり前と思っていたら生き方なんて深く考えないよね。嫌な人を見て「自分自身こんな人にならないぞ」と反面教師での消去法スタイルではどう生きるかを今まで考えては来たけれど「どう生きるか」ということに対して向き合って考えたことは無かった。

本の対象読者

早く読むに越したことはないかもしれない。けれどもいつの時点でも遅すぎるということはないと思う。対象は児童向けと書かれているけど、どの年代の人でも読めるしどの年代の人にもお薦めできる本。

———-2018年4月1日追記————-

読書感想文を書くためにたどり着いた人へ
この本は一言では表せないくらい本当にいい本だ。若ければ若いほど君の生き方にきっとつながると思う。読書感想文は確かに嫌な宿題で面倒だよね。

せっかくなのでいい読書感想文を書いて欲しいので読書感想文を書くコツが書かれたオススメのサイトを下記に紹介するね。はてなブックマークで700近くものブックマークを集めた非常にいいページ。漫画で説明してくれているので文章を読むのが苦手な人でも読みやすいと思う。

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内容と感想

コペル君こと中学2年生の本田潤一君の精神成長を通じて「人としてどうあるべきなのか」ということを教えてくれる物語風の啓発書。

コペル君は日常でいろいろな出来事を体験し、それを通じて感じ・考える―「ものの見方について」「人とのつながり」「貧しい友人」「ナポレオンから見る偉大な人間とは」。

そして「これらの出来事を通してコペル君が感じたこと・考えたこと」をコペル君から聞いた叔父はこれからどうコペル君に生きていってほしいのかということを「ノート」に記して将来のコペル君へのメッセージとして残すんだ。コペルくんに立派な男として、そして人間として立派なものになってほしいというその一心からね。

 

君の父さんは、亡くなる三日前に僕をそばに呼んで、君についての希望を僕に言いおいておかれた。「私はあれに、立派な男になってもらいたいと思うよ。人間として立派なものにだね」。

このノートブックに、いつか君に読んでもらうつもりで、いろんな書いておくのも、実は、お父さんのこの言葉があるからなんだ。

肝心なのは自分の体験から出発して考えてゆくということだ。ある時、ある場所で、君がある感動を受けたという、くりかえすことのないただ一度の経験の中に、その時だけにとどまらない意味のあることがわかってくる。それが本当の君の思想というものだ。君自身が心から感じたことや、しみじみと心を動かされたことを、大切にしなくてはならない。

 

以下はその内の本の一部だけど紹介するね。

 

・常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけということなんだが(~中略~)ここにゴマ化しがあったら、どんな偉そうなことを考えたり、いったりしても、みんな嘘になってしまうんだ!

・肝心なことは、世間の眼よりも何よりも、君自身がまず、人間の立派さがどこにあるか、それを本当に君の魂で知ることだ。

・言葉だけの意味を知ることと、その言葉によってあらわされている真理をつかむことは、別のことなんだ!

・人類の進歩と結びつかない英雄的精神も空しいが、英雄的な気迫を欠いた善良さも、同じように空しいことが多いのだ、君も今にきっと思い当たることがあるだろう。

 

とにかくいろんな言葉が心の琴線に触れる。自分の心の奥底にある気持ちが揺れ動くのがわかる。この本の中のどんな言葉が自身の琴線に触れるのか、それは人それぞれ生まれてから今までの生き方がもちろん違うから琴線に触れる言葉も人それぞれ違うはずだね。だからその点は実際君が読んで感じて欲しい。そしてこの本の命題である「人としてどう生きるか」という問いに対して叔父はコペル君には答えを教えることはない、なぜならコペル君自身が考え、自分自身の答えを出すことを願っているから。

 

「人としてどう生きるか」―コペル君と叔父の関係と同じように、この問いに対して筆者は私たちにその答えを教えてくれることはない(いや、正しい答えはないというのが正しいのかもしれないね)。しかし「こんな世の中を君はどう生きるのか、どう生きて行きたいのか」と常に真正面から私たちに問いかけてくるし、きっと私が自分たちの答えを出してくれることを願ってくれているのだと思う。

 

さいごに:あわせて読んで欲しい本

最後にあわせて読んで欲しい本を紹介。

池田晶子さんの『14歳からの哲学』を薦めるよ。『君たちはどう生きるか』が「生き方」について考えているのに対して、この本は「そもそも生きるとは何か」を突き詰めていく本だよ。なぜこの本を進めたのかって?だって「どう生きるかを考える」にはそもそも「生きる」とは何かを分かっていないと「どう生きるか」を考えることなんてできないよね。

人は子供からやがて大人になって、いつのまにか人間社会の中を泳いでゆく時の旅人と化してしまう。そこは生きることを最優先とする場だ。だから子供の時にきっと君も一度は考えたことがあるはずの「なぜ生きているのか」はいつの間にか考えなくなってしまうんだ。社会人の日々を過ごす中でなぜ生きるからどのようにして生きるかへ変わっていく。だからこそ今一度、『君たちはどう生きるか』を読んだ今だからこそ是非この本を読んで欲しい。きっと君の生きる姿勢が変わるはずだ。

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2 件のコメント

    • 返信が遅くなり申しわけございません。石段の思い出の賞の「僕たちは自分で自分を決定する力を持っている。だから誤りを犯すこともある。しかし、僕たちは自分で自分を決定する力を持っている。だから誤りから立ち直ることもできるのだ。」ですね。

      自分で自分を決定する力を持っているからこそ誤りを犯すし、だからこそ誤りから立ち直ることもできる。人間の中にある両面性の自覚という点でグッときました。これだけでは伝わりづらいかもしれないので、石段の思い出の章のコペル君の出来事と、そのあとのおじさんの手紙を通しで見ていただければより伝わるかもしれません。

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